肝臓は沈黙の臓器~症状がわかりにくい肝臓がんを予防する食事
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、肝臓系の疾患にかかっていても、痛みがほとんど現れないので本人が気づかずに進行している場合があります。
痛みだすと、既に遅く、「脂肪肝」や「肝硬変」を引き起こしている場合もあります。
また放置しておくと、ある日、「肝臓がん」だったということにもなりかねません。
毎日のようにお酒をよく飲む方は、会社の健康診断はもちろん、がん検診なども受けておきましょう。
そして肝臓がんの場合、主な症状というものはありませんが、肝硬変の延長でおきる場合も多いので、次のような傾向があれば、がん検診を早めに受けておきましょう。
- むくみ(体がむくむ)
- 尿の色が濃い
- 疲れやすい・体がだるい(倦怠感)
- 微熱がある(発熱)または微熱が続く
- 食欲がない(食欲不振)
- 便通異常(便秘・下痢)
- 貧血
- 白目や肌が黄色くなる。
- 黄疸(おうだん)
- 腹水(お腹に体液がたまる)
肝臓がんの種類は、大きく分けて2つに分類されます。1つは「原発性肝臓がん」と呼ばれ、はじめから肝臓にできるがんです。もう1つは「転移性肝臓がん」と呼ばれ、他の臓器から転移して起こるがんです。
「原発性肝臓がん」の場合は、さらに肝臓を構成している細胞で分けられ、「肝細胞がん」と「胆管がん(胆管細胞がん)」の2つがあります。
一番多く見られる肝臓がんのケースとしては「肝細胞がん」です。
原因は、「肝硬変」が一番多く、その「肝硬変」自体の原因はウイルス性肝炎(B型肝炎・C型肝炎)によるものがほとんどです。
また、糖尿病の人は、糖尿病ではない人と比べて、肝臓ガンになるリスクは約2倍も高くなるという統計もあるようです。そして、膵臓がん(膵がん)から転移するケースもあります。
お酒を飲まなくても、暴飲暴食、甘いものが大好きで、メタボになるほど食べ過ぎている人も注意が必要ですですね。
肝臓がんを予防する食習慣とは?
ここで、肝臓がんを予防する食習慣をご紹介します。
青背魚やDHA・EPAを含む食品を食べる
メタボぎみの方は、糖尿病⇒肝臓がん、というケースも考えられるので、肉食中心の人は魚にチェンジしておきましょう。秋刀魚(さんま)、鯖(さば)、鰯(いわし)、鯵(あじ)などの青背魚、そして鮭(サケ)や鮪(マグロ)、鰹(かつお)、植物性食品ではエゴマオイルやアマニ油など、DHAやEPAが含まれる食品を、進んで食べるようにしておきましょう。
コーヒー
近年、コーヒーに含まれるクロロゲン酸に、ガン予防作用があるとわかり、厚生労働省でも、コーヒーの摂取量が多い人は、そうでない人に比べると肝臓がんのリスクが低い、と発表しています。
アブラナ科の野菜類
ブロッコリーから発見されたスルフォラファンに、ガン細胞の繁殖を抑える作用があるとわかり、ここ数年で世界中で注目されるようになりましたね。発見されたのはブロッコリーですが、ブロッコリーの中までもあるアブラナ科の野菜類に含有していることも多いです。キャベツ、大根、菜の花、わさびなどです。また野菜の新芽であるスプラウト類の方が含有量が高く、中でもブロッコリーの新芽である「ブロッコリースプラウト」に一番多く含まれています。
1日のお酒の適量
お酒は、適量を守れば、体質改善につながる場合もあります。1日のお酒の適量は以下の通りです。
- 日本酒:1合
- ビール:500ml缶 1本
- ワイン 2杯程度
- チュウハイ 350ml缶1本
- 焼酎 100ml
- ウイスキー・ジンなど シングル2杯まで
*厚生労働省調べ
食生活は、毎日の積み重ねです。ちょっとした習慣の積み重ねで、大病を招いて、命を縮めることになるかもしれないのです。お酒や甘いもの、栄養価の低いファストフードなどの食生活を見直し、上に挙げた食品群でがんになりにくい健康づくりを目指してみましょう。
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