ビタミンE

抗酸化力が高くアンチエイジング作用にも期待!

ビタミンEは、トコフェロールとトコトリエノールの2つに大別されます。体内には、α-トコフェロールが一番多く存在しています。

ビタミンEの最大の特徴としては、強力な抗酸化作用です。呼吸から取り入れた酸素からは、一部に活性酸素が発生することがわかっており、体内の物質を酸化させる作用があるのです。特に細胞膜の構成成分である不飽和脂肪酸は酸化に弱く、老化やガンを招く過酸化脂質に変化されて、細胞を壊してしまうのです。ビタミンEは、主に細胞膜に存在するので、不飽和脂肪酸が酸化するのを防いで、活性酸素からカラダを守る働きがあります。

他にビタミンEには、毛細血管を拡張して血行をよくする役目もあります。

不足すると…!?

抗酸化力が低下するので、肌を紫外線などの刺激から守れなくなるので、シワやシミの原因となります。また、血中コレステロールも酸化しやすくなるので、これが血管壁に入って溜まると、動脈硬化の原因にもなります。それにより血行も悪くなるので、冷え性や頭痛、貧血、肩こりなども引き起こすかもしれません。

摂りすぎると…!?

サプリメントなどで、1日の耐容上限量を超える量のビタミンEを摂り続けると、骨の組織を破壊する「破骨(はこつ)細胞」を巨大化して、骨粗しょう症を招くことがあります。また血液が固まりにくくなるといった副作用も起こします。日頃の食事から過剰症になることは少ないですが、サプリメントでビタミンE摂取を行う場合は、耐容上限量を必ず守りましょう。

ビタミンEを多く含む食品

ナッツ類や植物油、緑黄色野菜、魚介類に豊富に含まれています。植物油は高カロリーなので、使い過ぎに注意しましょう。

  • 魚介類(食品100g中)
    鰻の蒲焼:4.9mg、ツナ缶:2.8mg、イカ:2.1mg、鮎(あゆ):1.2mg
  • 野菜(食品100g中)
    モロヘイヤ:6.5mg、赤ピーマン:4.3mg、かぼちゃ:2.2mg、ほうれん草:2.1mg
  • その他(食品10g中)
    ひまわり油:3.87mg、アーモンド:3.10mg、落花生:1.01mg、オリーブオイル:0.74mg

1日の摂取基準

年 齢 推奨量(mg) 耐容上限量(mg)
男女
0~5ヶ月 3.0 3.0
6~11ヶ月 3.5 3.5
1~2歳 3.5 3.5 150
3~5歳 4.5 4.5 200
6~7歳 5.0 5.0 300
8~9歳 6.0 5.5 350
10~11歳 6.5 6.0 450
12~14歳 7.0 7.0 600
15~17歳 8.0 7.0 750/650
18~29歳 7.0 6.5 800/650
30~49歳 7.0 6.5 900/700
50~69歳 7.0 6.5 850/700
70歳以上 7.0 6.5 750/650

*授乳婦は+3.0を付加してください。
「日本人の食事摂取基準」より抜粋

一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養素

ビタミンC

ビタミンEに強い抗酸化力がありますが、ビタミンCはその作用をもっと高める効果があります。双方とも、美肌力をUPさせる栄養素なので、一緒に摂ることで、相乗効果が得られるでしょう。ビタミンCは熱に弱いので、調理時間は短時間で済ませましょう。

豊富な食品:緑黄色野菜、いも類、果物

ビタミンA

ビタミンEには、ビタミンAの効能を高める作用があります。ビタミンAは目の網膜などを健康に保つ作用があり、疲れ目やドライアイなどに役立ちます。鰻やほうれん草など、ビタミンAとE、両方を併せ持つ食材を摂取すると効率がいいでしょう。

豊富な食品:レバー、鰻、あしたば、ほうれん草

セレン

ミネラルの1種で、酸化した脂質を分解するために必要不可欠な成分です。また抗酸化作用があるので、ビタミンEと一緒に摂ると、効果が増大するでしょう。細胞の老化を防いで、アンチエイジング作用が望めます。そして血管がもろくなる動脈硬化も予防するでしょう。

豊富な食品:鯵(あじ)、牡蠣、パスタ

ビタミンEを含む食品を食べる時の注意点

オリーブオイルやごま油など、植物油にも多く含まれているので、調理の際に使う人も多いでしょう。しかし、古くなるにつれ、酸化していくので、老化を招く過酸化脂質も増えていくことになります。開封後は2~3ヶ月をメドに早めに使い切るようにしましょう。

まとめ

  • 抗酸化作用が強く、細胞を酸化から守ってくれます。
  • 老化予防やガン予防、血行促進作用が期待できます。
  • ビタミンCと一緒に摂ると、ビタミンEの抗酸化作用がパワーアップします。