痛み、転倒、寝たきりを予防!股関節を痛めにくい食事とは?

近年、高齢者の方に増えつつある、股関節の痛み。TVや雑誌などでも特集されるようになりましたね。様々な要因が重なって股関節の痛みが起こるわけですが、それが原因で、転倒して骨折したり、またそれが原因となって寝たきりになったりと、負のスパイラルに陥ることも考えられます。

原因の1つに、加齢と共に、骨がもろくなっていることが挙げられます。ヒトの骨量は、20歳を境に、減る傾向があるので、骨量を守るために、食事からカルシウムを補っておかなければいけません。カルシウムのみだと吸収が十分ではないので、マグネシウムビタミンDなども一緒に摂ることが大切です。

骨粗しょう症などが疑われている方も、股関節の痛みにつながっているかもしれません。高齢者が多いとはいえ、栄養バランスがよくなく、若年層や30~40代の方も注意が必要です。

日本人は総じて、カルシウムが不足しがちです。牛乳や小魚だけでなく、モロヘイヤやほうれん草、小松菜、水菜などの野菜にも含まれています。野菜類から摂ると、一緒にビタミンCなどを含む場合も多いので効率がいいでしょう。

股関節の痛み 原因は?

股関節は、太ももの骨の上の端の方にある骨頭と呼ばれる丸い部分です。位置としては、骨盤のくぼみに、はまり込むような感じで形成されている部分です。球状になっているので、足をいろんな方向に動かすことができます。

また、股関節は、上半身と下半身をつなぐ役目もあります。上半身の重さを支えているため、靭帯(じんたい)によって強固に補強されているのです。そうした仕組みで、ヒトは、立ったり座ったり、走ったり、そして跳ぶ、蹴るなどの動きが実現できているのです。

しかし、股関節に痛みが生じてくると、これらの動きに制限が出て、ぎこちなくなり、思うように動けなくなるので日常生活に支障をきたすことにもなります。

股関節の痛みの原因はどうなっているのでしょうか?

  • 関節軟骨という、関節を保護している骨が、すり減ってしまい、股関節が動くたびに、骨と骨がぶつかり、痛みが生じ、やがて骨が変形していきます。また、生まれつき、股関節の発育が悪くて、そうなる場合もあります。
  • 関節リウマチが起因して、股関節の痛みが生じていることもあります。指先や、腕、肩、首などの骨が自由に動かないため、股関節の動きにも制限が出てくるようです。
  • 骨の動きが悪くなる原因に血流もあげられていますが、骨頭に血液を送る役目のある大腿動脈の血行が悪くなると、股関節の動きがスムーズにいかなくなり、痛みを引き起こす場合があります。
  • 女性ホルモンの低下により、骨量が減り、股関節の痛みの原因になることもあります。特に閉経後の女性は、女性ホルモンの分泌量が低下してしまい、骨量を保持する能力も一緒にダウンしてしまいます。

上記の4つが主な原因と考えられています。

予防のために骨量保持に役立つ食材とは?

主な4つの原因から考えると、骨量を保てたとしても、血流が悪いと、股関節の動きを指令する能力もダウンしてしまうことがわかりますね。

前述した骨量を保持する栄養成分だけでなく、血流をよくする栄養成分も補っておきましょう!

骨量を保持する栄養成分、食材

  • カルシウム
    骨量を保持する代表的なミネラルで、99%が骨に存在しています。
    牛乳の他、豆乳、納豆、ナッツ類、ほうれん草、モロヘイヤ、小松菜、水菜、魚介類、特に小魚に多く含まれます。
  • マグネシウム
    体内のカルシウム量を調整する重要なミネラルです。
    あさり、鰯(いわし)の丸干し、ほうれん草、プルーン、玄米、アーモンドに多く含まれます。
  • ビタミンD
    カルシウムの吸収を助けるビタミンで、きのこ類に多く含まれます。特に干ししいたけの含有量が多いです。他にしらす干し、鮭(さけ)、いくらなどにも含まれます。

血流をよくする栄養成分、食材


  • は血液の主成分なので、不足すると、必然的に血流が悪くなります。カルシウムと並んで、不足しがちなミネラルなので、意識して摂り入れましょう。
    レバー類、赤身肉、ほうれん草、小松菜、大根の葉、納豆、ひじきなど
  • ビタミンC
    の吸収をよくするには、ビタミンCも必要となります。特に野菜類から鉄を補給する時はビタミンCを必ず一緒に摂りましょう。
    ほうれん草、小松菜、大根の葉なら鉄とビタミンCの両方が摂取できます。他に、ピーマンや果物からも摂取しておきましょう。
  • ビタミンE
    血行促進作用があり、ビタミンCと一緒に摂るとパワーアップします。
    ナッツ類、モロヘイヤ、オリーブオイル、ごま油、アボカド、にんじん、かぼちゃなど

牛乳や豆乳を使ったシチューやクラムチャウダーなら上に挙げた食材から栄養成分が摂取でき、一皿で必要なものが補えそうですね。

食養成は、あくまで予防や改善の1つで、即効性があるものではありません。しかし、ヒトのカラダは毎日、食べているものから形成されているので、必要な栄養分が過不足ないよう、見直しておきましょう!

【参考】