糖質

脳や神経系のエネルギー源に

糖質は、炭水化物から食物繊維を除いたもので、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)からできています。1gで約4kcalのエネルギーになり、血糖となって全身にエネルギーを供給する役目があります。「糖質=砂糖」というイメージを持つ人も多いですが、米やパンなどの穀類、根菜などにも含まれています。

糖質は大きく「単糖類」「少糖類」「多糖類」に分けられます。糖質は摂取された後、単糖類まで分解されてから小腸で吸収され、血液によって全身運ばれます。

脳や神経系の唯一のエネルギー源となり、他にグリコーゲンとして筋肉や肝臓に蓄積されたり、アミノ酸を造る材料にもなります。

不足すると…!?

エネルギー源が不足するので、疲れを感じたり、病気に対する免疫力が弱まります。特に脳や神経系にエネルギーが行きわたらなくなると、脳の働きが低下して、意識を失うこともあります。筋肉などの体タンパク質を壊してブドウ糖を造る「糖新生反応」が起きることもあります。

摂りすぎると…!?

糖質を摂りすぎると、脂肪となって溜まり、肥満や脂肪肝を招いたり、虫歯菌のエサとなって虫歯につながるでしょう。また、血液中に糖質が増えた状態が続いてしまうと、糖尿病を招きます。さらに、高血糖は血管を傷つけるので、血管が硬くもろくなっていきます。動脈硬化が進み、心疾患のリスクも高まるでしょう。

糖質を多く含む食品

米やパンなどの穀類に多く含まれ、かぼちゃや根菜にも豊富です。果物には果糖という状態で含まれています。

  • 穀類(食品100g中)
    コーンフレーク:83.6g、精白米:77.1g、胚芽精米:75.3g、玄米:73.8g、餅:50.3g、食パン:46.7g
  • 野菜(食品100g中)
    さつまいも:31.5g、とうもろこし:16.8g、かぼちゃ:10.9g
  • 果物(食品100g中)
    干し柿:71.3g、バナナ:22.5g、ぶどう:15.7g

1日の摂取基準

年 齢 目標量(%エネルギー)
男女
0~5ヶ月
6~11ヶ月
1~2歳 50以上70未満
3~5歳 50以上70未満
6~7歳 50以上70未満
8~9歳 50以上70未満
10~11歳 50以上70未満
12~14歳 50以上70未満
15~17歳 50以上70未満
18~29歳 50以上70未満
30~49歳 50以上70未満
50~69歳 50以上70未満
70歳以上 50以上70未満

*「%エネルギー」は、1日に摂取するエネルギーに占める炭水化物の割合です。
「日本人の食事摂取基準」より抜粋

一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養素

食物繊維

糖質は、食後に血糖値が上昇する「食後高血糖」が進みやすく、摂取量が多いと糖尿病のリスクを高めます。この糖質の消化・吸収をおだやかにするのが、食物繊維です。一緒に摂ることで食後高血糖の上がり方が緩やかになり、糖尿病の予防にもつながります。

豊富な食品:ごぼう、さつまいも、こんにゃく、納豆

ビタミンB1

糖質を分解する働きのあるビタミンB1と一緒に摂ることで、糖質をエネルギーに変換しやすくします。ビタミンB1は豚肉などに豊富で、食事の主菜として取り入れてみましょう。また、主食そのものを、ビタミンB1を含む玄米や胚芽米にすると、糖質もビタミンB1も同時に摂れるでしょう。

豊富な食品:豚肉、鰤(ぶり)、ひじき、大豆製品

糖質多い食品を食べる時の注意点

食事と食事の間隔をあけすぎないようにしましょう

食事の間隔があくと、その分、糖質の吸収率が高まって、食後高血糖に陥りやすくなります。特に朝食を抜いてしまうと、昼や夜に食欲が増して、食べ過ぎ傾向になります。糖尿病や肥満などの生活習慣病を防ぐために、1日3食、規則正しく食事をとるようにしましょう。

「低GI食品」をうまく取り入れましょう

GIとはグリセミック・インデックスの略で、食品を食べてから血糖値が上がるスピードを測ったものです。GI値が低い食品ほど血糖値が緩やかに上がります。玄米や蕎麦、全粒粉を使ったパン、ごぼう、さつまいもなどの根菜なら、GI値が低いので、食事にうまく取り入れてみましょう。

まとめ

  • 脳や神経系にとっては、唯一のエネルギー源です。
  • 穀類やいも類、果物などに豊富です。
  • ビタミンB1と一緒に摂ると、効率よくエネルギーに変換できます。