ビオチン
髪の健康に役立ち、白髪や抜け毛予防に
ビオチンは、ビタミンB群の1つでビタミンHになります。糖質、脂質、タンパク質を代謝する酵素のうち、カルボキシラーゼの補酵素として働いて、代謝を助ける役目があります。糖質から造られる乳酸という疲労物質を再度、糖につくり替えるので、疲労回復や、筋肉痛を和らげ作用もあります。
特に髪や皮膚の健康維持に重要で、抜け毛や白髪予防が期待できます。また、湿疹やアトピーなどの皮膚炎の予防や改善にも注目されている栄養素です。
ビオチンは、食品から摂取すると、利用率が非常に高く、体内でも、腸内細菌によって合成されるので、不足する心配は少ないと考えられています。
不足すると…!?
食生活で不足する心配はありませんが、長期間による抗生物質の服用などで、ビオチンを合成する腸内細菌の働きが弱まると、ビオチンが不足し、髪や頭皮に十分な栄養が行き届かず、抜け毛や白髪の原因になることがあります。また、憂うつになったり、食欲不振、吐き気なども引き起こします。
摂りすぎると…!?
特に摂りすぎる心配もありません。水溶性のため、体内には蓄積されないからです。抜け毛や白髪などの毛髪のトラブルや肌荒れのトラブルが気になる方は、多めに摂取しても問題ないでしょう。食品では、レバーや卵、アボカド、柿などに含まれます。しかしコレステロール値の高い方は、レバーや卵の摂取量はほどほどにしておきましょう。
ビオチンを多く含む食品
特にレバーに豊富に含まれています。魚介類やナッツ類、卵にも多く、果物では柿やアボカドに含まれています。
- 肉類(食品100g中)
鶏レバー:232㎍、豚レバー:79.6㎍、牛レバー:76.1㎍ - 魚介類(食品100g中)
あさり:22.7㎍、いわし:17.1㎍、鮭:12.3㎍ - 果物(食品100g中)
アボカド:5.3㎍、柿:2.0㎍、バナナ:1.4㎍ - その他(食品100g中)
卵:25.0㎍、落花生(10g中):9.23㎍、アーモンド(10g中):6.16㎍
1日の摂取基準
年 齢 | 推奨量(㎍) |
男女 | |
0~5ヶ月 | 4 |
6~11ヶ月 | 10 |
1~2歳 | 20 |
3~5歳 | 25 |
6~7歳 | 30 |
8~9歳 | 35 |
10~11歳 | 40 |
12~14歳 | 50 |
15~17歳 | 50 |
18~29歳 | 50 |
30~49歳 | 50 |
50~69歳 | 50 |
70歳以上 | 50 |
*妊婦は+2、授乳婦は+5を付加してください。
「日本人の食事摂取基準」より抜粋
一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養素
ビタミンB2
ビオチンは、皮膚や髪を健康に保つ作用があり、ビタミンB2は老化を招く、過酸化脂質を代謝する作用があります。この2つを一緒に摂ると、肌のハリやツヤが維持でき、美養(美容)効果も望めるでしょう。レバーやいわし、卵はビオチンとビタミンB2両方を含んでいます。進んで取り入れてみましょう。
豊富な食品:ヨーグルト、レバー、鰈(カレイ)、納豆、卵
ビタミンB6
ビオチンもビタミンB6も、肌細胞を造るタンパク質の代謝に必要不可欠の栄養素です。一緒に摂ることで、タンパク質の代謝を助けて、美肌効果が高まるでしょう。湿疹や肌荒れの予防や改善にも◎です。また、抜け毛など、毛髪トラブルの予防や改善にも期待できるでしょう。
豊富な食品:かつお、さば、モロヘイヤ、バナナ
ナイアシン
ナイアシンは、ビオチンと同様に、皮膚を健康に保つ作用があり、血行をよくして、肌に栄養を届け、新陳代謝もよくする作用があります。一緒に摂ると、美肌効果がUPします。また冷え性や頭痛の改善にも期待できるでしょう。余分なコレステロールを排出する働きもあります。
豊富な食品:鶏のむね肉、たらこ、かつお、アーモンド
ビオチンを含む食品を食べる時の注意点
生卵の卵白に含まれる成分「アビジン」は、胃や腸の中で、ビオチンと結びついて、ビオチンの吸収を妨げてしまいます。摂りすぎなければ問題はありませんが、卵かけご飯など生でいただく場合は、食べ過ぎに注意しましょう。加熱調理した卵料理の場合は、その心配はありません。
まとめ
- 3大栄養素を代謝する時の酵素「カルボキシラーゼ」の補酵素として働く。
- 髪や皮膚の健康を維持し、抜け毛や白髪、肌荒れなどの予防や改善に役立つ。
- 生卵の摂りすぎは、ビオチンの吸収を妨げるので摂りすぎに注意しましょう。