マグネシウム

筋肉の収縮を促し、ストレスに打ち勝つ

体内のマグネシウムの約60%が骨に含まれています。残りは筋肉、肝臓、血液中に存在し、約300種類もの様々な酵素の働きを助けています。

カルシウムとの関わりが深く、筋肉の細胞内に入るカルシウム量を調整し、筋肉の収縮を促しています。また、摂りすぎたカルシウムが血管壁に溜まるのを防ぐため、動脈硬化の予防にもなります。

ストレスが生じると、マグネシウムの消費量が増えます。しっかりと補っおくと、ストレスに負けない体力づくりとなるでしょう。またアルコールの摂りすぎで、排出量が増えるので、お酒は適量を守るようにしましょう。

不足すると…!?

マグネシウムが不足すると、血液中のカルシウムが血管壁に沈着しやすくなり、血管の内部が狭くなり、動脈硬化が進行します。さらに、筋肉の収縮がうまくいかなくなり、心臓の血管壁でけいれんが起きやすくなります。そのため、血管が詰まり、心筋梗塞や狭心症などを引き起こす可能性が高くなります。

摂りすぎると…!?

不足しやすいミネラルなので、摂りすぎても腎臓から排出されるため、過剰症の心配はほとんどありません。サプリメントで過剰摂取した場合、下痢や吐き気をもよおしたり、筋力が低下して疲れやすくなります。血圧が低下することもあります。

マグネシウムを多く含む食品

貝類や干物、ナッツ類、玄米などに多く含まれています。果物はドライフルーツの方が含有量が高くなっています。(食品100g中)

  • 魚介類
    あさり:100mg、いわしの丸干し:100mg、牡蠣:74mg
  • 野菜
    ほうれん草:69mg、切り干し大根:17mg(10g中)、枝豆:7.2mg(10g中)
  • 果物
    ドライプルーン:40mg、バナナ:32mg
  • 穀類
    玄米:110mg、蕎麦:33mg
  • その他
    アーモンド:31mg(10g中)、油揚げ:13mg(10g中)

1日の摂取基準

 年 齢 推奨量(mg)
0~5ヶ月 20* 20*
6~11ヶ月 60* 60*
1~2歳 70 70
3~5歳 100 100
6~7歳 130 130
8~9歳 170 160
10~11歳 210 210
12~14歳 290 290
15~17歳 350 300
18~29歳 340 270
30~49歳 370 290
50~69歳 350 290
70歳以上 320 260

*は目安量です。妊婦は+40を付加してください。
「日本人の食事摂取基準」より抜粋

一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養素

カルシウム

マグネシウムはカルシウムが血管壁や肺、腎臓などに沈着するのを防ぎます。また骨を強くする働きもあります。マグネシウムはストレスが溜まると消費されますが、カルシウムにはイライラを鎮める作用があるので、ストレスによるマグネシウムの消耗を防いでくれるでしょう。

豊富な食品:牛乳、ヨーグルト、干しえび、モロヘイヤ

ビタミンC

疲労や精神的なストレスなどを感じると、副腎皮質が反応して抗ストレスホルモンを分泌します。その時に、マグネシウムが消費されて、ビタミンCがホルモンの成分として使われます。どちらも十分に補っておくことで、ストレスに打ち勝つカラダにしておきましょう。

豊富な食品:緑黄色野菜、いも類、果物

マグネシウムを含む食品を食べる時の注意点

カルシウムとマグネシウムは2:1のバランスで摂取

マグネシウムの摂取量は、カルシウムとのバランスを意識して摂ることが必要です。カルシウムの摂取量がマグネシウムより高まると、体内のカルシウムが血管壁などに沈着しやすくなります。「カルシウム:マグネシウム=2:1」の割合がベストだと考えられています。

主食を玄米にしてみる

穀類のマグネシウムは外皮に多く含まれています。米は精白米ではなく胚芽精米や玄米を、パンは全粒粉小麦粉を使ったものを選ぶとマグネシウムが補給できます。水溶性のため、果物は生で、調理が必要な食品は汁物にして、煮汁ごといただくようにすると、効率よく摂取できるでしょう。

まとめ

  • 約300種類の酵素の働きを助けています。
  • 体内のカルシウム量を調整して、筋肉の収縮を促しています。
  • カルシウムとマグネシウムの摂取量は2:1が理想的です。