4、機能性成分がカラダの働きを助ける
5大栄養素以外にも、食物繊維やポリフェノールなど、栄養素と似たような働きをする注目の成分があり、カラダの働きを助けます。
栄養素ではないが、似た働きをする成分
「栄養素」という定義には当てはまりませんが、健康によいとされる食品中の成分を「機能性成分」と呼びます。
代表的なものは「第6の栄養素」と呼ばれる食物繊維です。食物繊維は人体では消化できません。またエネルギーにもならないため、以前は「食べ物カス」と言われ、全く注目されていませんでした。しかし、様々な研究機関で生活習慣病の予防や便秘の改善などに役立つことがわかってきて、その後、食事から必要量を摂取すべきだと推奨されるようになりました。
ポリフェノールや乳酸菌など種類や効能も様々!
食物繊維以外の機能性成分でよく知られているのは、ポリフェノールやカロテノイドなどの色素成分や、ネギ類など香味野菜の香り成分であるイオウ化合物があります。これらには抗酸化作用があり、アンチエイジングや病気を予防する効果が期待されています。植物に含まれる天然の化学物質であるフィトケミカルとも呼ばれています。
乳酸菌やアミノ酸類、糖アルコールなども、独自の効能があり、注目されています。
カラダの働きを調節し、病気予防にも!
食物繊維は栄養素の吸収をゆるやかにし、腸の働きを促します
食物繊維は、糖質などの吸収をゆるやかにし、有害な物質を吸着し、体外に排出する働きがあります。また腸を刺激して排便を促す役目もあります。腸内環境を整えるため、大腸ガンなどの病気予防にも役立ちます。
- 血糖値の上昇をゆるやかに
⇒ 糖尿病を予防 - 排便を促す
⇒ 便秘を予防・改善 - コレステロールの吸収を抑える
⇒ コレステロール値を下げる
その他、注目の機能性成分
抗酸化作用が期待できる機能性成分
- カロテノイド
赤、オレンジ、黄色など、天然の色素成分のこと。ガン予防で注目のβ-カロテンやリコピン、血行をよくするカプサイシンなどが含まれます。 - ポリフェノール
主に食べ物の皮の部分に多い成分で、約4000種類もあると考えられています。目にいいアントシアニン、抗菌作用のあるカテキン、クルクミンなどが含まれます。 - イオウ化合物
にんにくやネギ、玉ねぎなど香味野菜と呼ばれる野菜に共通して含まれており、刺激のある香り成分です。抗菌作用のあるアリシンや硫化アリル、ガン予防で注目のスルフォラファンなどが含まれます。
虫歯の予防効果で注目の機能性成分
- 糖アルコール
甘味料の一種で、非う蝕性のものが多く、虫歯などの原因になりにくいのも特徴です。低カロリーのため、肥満予防にも効果があります。キシリトール、ソルビトール、マンニトールなどが含まれます。
独自の働きが注目の機能性成分
- アミノ酸類
必須アミノ酸以外のアミノ酸で、タンパク質のもととなったり、健康効果が期待できるアミノ酸があります。脳の働きをよくするチロシン、グルタミン酸などが含まれます。
腸内環境を整える機能性成分
- 乳酸菌
糖類から乳酸をつくる細菌のこと。生きたまま腸内で増えて、有害菌の繁殖を抑える働きがあります。ビフィズス菌、ブルガリア菌、ガセリ菌、ラブレ菌などが含まれます。
香辛料もカラダにいいの?
こしょうやハーブなどの香辛料には、機能性成分が含まれていますが、使用する量はわずかですね。それでも健康効果があるのか、疑問に思う方も多いでしょう。
唐辛子やこしょうには、カラダを温めたり、体内の酸化を防ぐ作用があります。カモミールは鎮静作用が知られており、お茶などで飲めばリラックスした気分に浸れます。
このように、スパイスやハーブは、特徴的な味だけでなく、心身を健康に保つ様々な働きが少量でも期待できるのです。お料理や、ティータイムなど、毎日少量ずつ取り入れてみましょう。