カリウム
体内の余分なナトリウムや老廃物を排出します
カリウムは、主に細胞の内側に多く存在し、体内には体重1kgにつき、約2gのカリウムが存在していると考えられています。
カリウムは、ナトリウムと共に、細胞の浸透圧を維持しています。体内に充分なカリウムがあると、余分なナトリウムが体外へ排出されて、血圧を正常に保つことができます。しかし、カリウムが不足し、ナトリウムの過剰摂取が続くと、この作用が働かなくなり、高血圧やむくみを招きます。予防と改善には、ナトリウムを含む食塩の摂取量を減らして、カリウムの摂取量を増やすことが重要になってきます
その他、腎臓の老廃物の排出を助け、筋肉の収縮をスムーズにする作用もあります。
不足すると…!?
余分なナトリウムを排出できず、血圧が上がっていきます。放置しておくと、動脈硬化が進んで、脳卒中や心筋梗塞を招くこともあります。その他、筋肉の収縮がうまくいかず、疲れやすくなります。利尿作用のあるカフェインやアルコールはカリウムの排出量を増やすので、摂りすぎには注意しましょう。
摂りすぎると…!?
カリウムは、摂りすぎても排泄されて、体内には蓄積されません。そのため過剰症の心配はありません。逆に、調理や他の栄養素の影響で失われやすいミネラルなので、摂取量を増やすようにしましょう。納豆、果物、ドライフルーツなら、調理せずに摂取できます。
カリウムを多く含む食品
野菜、果物、海藻、納豆、ドライフルーツなどに多く含まれています。
(食品100g中)
- 野菜
ほうれん草:690mg、里芋:640mg、モロヘイヤ:530mg、
切り干し大根:320mg(10g中)、大根:230mg、きゅうり:200mg - 果物
アボカド:720mg、干し柿:670mg、バナナ:360mg - その他
納豆:660mg、昆布:610mg(10g中)、干しひじき:440mg(10g中)
1日の摂取基準
年 齢 | 目安量(mg) | |
男 | 女 | |
0~5ヶ月 | 400 | 400 |
6~11ヶ月 | 700 | 700 |
1~2歳 | 900 | 800 |
3~5歳 | 1000 | 1000 |
6~7歳 | 1300 | 1200 |
8~9歳 | 1500 | 1400 |
10~11歳 | 1900 | 1700 |
12~14歳 | 2300 | 2100 |
15~17歳 | 2700 | 2000 |
18~29歳 | 2500 | 2000 |
30~49歳 | 2500 | 2000 |
50~69歳 | 2500 | 2000 |
70歳以上 | 2500 | 2000 |
*授乳婦は+400を付加してください。
「日本人の食事摂取基準」より抜粋
一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養素
ナトリウム
ナトリウムはカリウムと共に、体内の浸透圧のバランスをとり、水分量を調整しています。このバランスが崩れると脱水症状を招き、むくみの原因にもなります。ナトリウムとカリウムの割合が1:2が理想的です。
カリウムを含む食品を食べる時の注意点
生のままか、汁物にして摂りましょう
カリウムは水溶性なので、加熱調理すると約30%が消失します。カリウムを含む食材は、生で摂るのが望ましいでしょう。それが難しい場合は、味噌汁やスープなどの汁物にすると煮汁にカリウムが溶け出し、効率よく摂取できますまた、塩分の摂取量が多いとナトリウムとともに排泄されるので、薄味を心がけましょう。
塩は粗塩に、白糖は黒糖やてんさい糖に
精製された食塩の成分は、ナトリウムと塩素です。しかし、粗塩にはカリウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富です。また黒糖は白糖よりもカリウム、鉄、カルシウムなどが豊富に含まれています。白いビーツからとれるてんさい糖もカリウムが含まれます。摂りすぎると肥満や高血圧の原因となりますが、適量を取り入れることでカリウム源になります。
腎臓の働きが低下している場合は摂取量に注意しましょう
カリウムは、腎臓の働きによって排泄されますが、腎臓の機能が低下している場合は、カリウムがうまく排泄されず、「高カリウム血症」を招く場合があります。嘔吐などの胃腸障害、不整脈の原因にもなるので、摂取量は主治医の指示に従いましょう。
まとめ
- ナトリウムと共に、細胞の浸透圧を維持します。
- 余分なナトリウムを体外に排出して、血圧を正常に保ちます。
- 腎臓の老廃物の排出を助けて、筋肉の収縮をスムーズにします。