5、 「ちょうどよく」食事をとることが大切

栄養素はたくさん摂ればいいわけではありません。ちょうどいい量をバランスよく摂取するのが理想です。しかし、それが実現できないので、様々な病気や、美養(美容)悩みが起きてしまうのです。

「過剰症」も「欠乏症」もカラダに負担がかかる!

栄養素はバランスよく摂ることが大切が、加減がわからない方も多いことでしょう。特定の栄養素を多く取りすぎると「過剰症」を招き、少なすぎると「欠乏症」を招いてしまいます。

例えば、タンパク質の摂取過剰は、腎臓に負担がかかってしまいます。逆に欠乏すると免疫力が低下して、ちょっとした風邪など病気にかかりやすくなります。

カラダを健康に保つため食事摂取基準が定められている

過剰症や欠乏症を防ぐには、栄養素のちょうどよい摂取量を知り、守ることが大切です。その指標が「日本人の食事摂取基準」なのです。

この基準は国が5年ごとに見直し、5大栄養素の各摂取量の他、過剰症が懸念される栄養素については、耐容上限量が設けられています。

全ての栄養素をちょうどよく摂取するのは難しいでしょう。しかし、できるだけ多くの種類の食材を食べるようにすれば、栄養素のバランスが自然と整っていくでしょう。どうしても不足する栄養素がある場合は、サプリメントを活用するのもいいでしょう。しかしサプリメントに頼りすぎには注意しましょう。

栄養素のちょうどいい量は年齢や性別より異なる

年齢や性別ごとの必要摂取量の指標

  • 推定平均必要量
    「全体の約50%の人が必要量を満たす」と推定される摂取量。
  • 推奨量
    「ほとんどの人が必要量を満たす」と推定される摂取量。
  • 目安量
    ある一定の栄養状態を維持するのに充分な摂取量。
  • 目標量
    生活習慣病の発症を予防するために、目標とする摂取量。

1日の食事摂取基準(例) 30~40代男女*1

栄養素(単位) 必要な摂取量 耐容上限量
*5
栄養素(単位) 必要な摂取量 耐容上限量
*5
男性 女性 男性 女性
炭水化物
(%)*2
50以上70未満


ナトリウム
(mg)
*4
(9.0未満)
*4
(7.5未満)
食物繊維
(g)
19以上 17以上 カリウム
(mg)
2500 2000
タンパク質
(g)
60 50 カルシウム
(mg)
650 2300
脂質
(%)*2
20以上25未満 マグネシウム
(mg)
370 290



ビタミンA
(㎍RE)
850 700 2700 リン
(mg)
1000 900 3000
ビタミンD
(㎍)
5.5 50
(mg)
7.5 月経有11.0
月経無6.5
男55
女40
ビタミンE
(mg)
7.0 6.5 男900
女700
亜鉛
(mg)
12 9 男45
女35
ビタミンK
(㎍)
75 65
(mg)
0.9 0.7 10
ビタミンB1
(mg)
1.4 1.1 マンガン
(mg)
4.0 3.5 11
ビタミンB2
(mg)
1.6 1.2 ヨウ素
(㎍)
130 2200
ナイアシン
(mgNE)
15 12 男350(85)
女250(65)
*3
セレン
(㎍)
30 25 男300
女230
ビタミンB6
(mg)
1.4 1.1 男60
女45
クロム
(㎍)
40 30
ビタミンB12
(㎍)
2.4 モリブデン
(㎍)
30 25 男600
女500
葉酸
(㎍)
240 1400
パントテン酸
(mg)
5
ビオチン
(㎍)
50
ビタミンC
(mg)
100
「日本人の食事摂取基準」より抜粋
*1 上の表は、基本的に推奨量を表示しています。ただし、炭水化物・食物繊維・脂質・ナトリウムは目標量、ビタミンD・ビタミンE・ビタミンK・パントテン酸・ビオチン・カリウム・リン・マンガンは目安量を表示しています。目安量は、推定平均必要量と推奨量が設定できない栄養素に用いられます。
*2 1日の総摂取エネルギーに占める割合。
*3 ニコチン酸アミドのmg量。( )はニコチン酸のmg量。
*4 ( )は食塩相当量(g)。
*5 耐容上限量:「これ以上摂取すると健康に害が及ぶ懸念が高まる」という摂取量の上限です。超えなければ、健康被害の心配はほとんどありません。

「ぜいたく病」とは?どういう疾患をさすの?

「痛風」や「糖尿病」は、現代社会が生んだ「ぜいたく病」だと言われるのを耳にすることが多いでしょう。それは、食べ過ぎや偏食が原因であることが多いためです。

現代は飽食の時代と呼ばれ、栄養素の摂り過ぎによる生活習慣病の増加が問題となっていますね。大人だけではなく、子どもも似たような食生活を送っているため、肥満児が増加し、病気の発症が近い将来、早まるのではないか?という懸念も広がっています。