ビタミンB6
アレルギーを防ぎ、タンパク質の代謝を促すビタミン
ビタミンB6の化学名は「ピリドキシン」です。動物性食品にも植物性食品にも豊富に含まれていますが、体内利用率は動物性食品の方が上なので、肉類や魚介類から採ると効率よく体内利用できるでしょう。
ビタミンB6は、タンパク質を分解する時の補酵素として働きます。そのため、タンパク質食品を摂取する場合は同時にビタミンB6の必要量も増えるので、しっかりと補いましょう。ビタミンB6は皮膚病や頭皮のフケを防いだり、カラダの成長も促します。血液のもととなる赤血球や、脂質の代謝にも関与します。また神経伝達物質のドーパミンやセロトニンの合成を手伝う役目もあります。
そして免疫機能を高める作用もあるので、アレルギー症状を防いだり、症状を軽くする効果も期待できます。
不足すると…!?
皮膚を造るタンパク質の代謝が悪くなるので、肌荒れや、口内炎などができやすくなります。免疫機能もダウンするため、湿疹や蕁麻疹(じんましん)、アレルギー症状が現れるケースも見られます。一般に不足しにくいビタミンと言われていますが、妊娠中の女性はホルモンバランスが乱れるので、不足しやすい傾向に。
摂りすぎると…!?
サプリメントなどで、耐容上限量をかなりオーバーして摂りすぎると、神経障害を引き起こす場合があります。しかし、基本的には水溶性のビタミンなので、カラダに蓄積されることはなく、普段の食事で摂りすぎる心配はありません。女性は、月経前にイライラしてしまうPMS(月経前症候群)を和らげる作用があるので、意識して摂るようにしましょう。
ビタミンB6を多く含む食品
肉類や魚介類、特に鮮魚に多く含まれます。にんにくは10gでさつまいもの約半量のビタミンB6を摂取することができます。
- 肉類(食品100g中)
牛レバー:0.89mg、鶏ささみ:0.66mg、豚レバー:0.57mg - 魚介類(食品100g中)
鮪(まぐろ)の赤身:0.85mg、鰹(かつお):0.76mg、鮭(さけ):0.64mg、鯖(さば):0.51mg - 野菜(食品100g中)
モロヘイヤ:0.35mg、さつまいも:0.28mg、にんにく:0.15mg(10g中) - 果物(食品100g中)
バナナ:0.38mg、アボカド:0.32mg
1日の摂取基準
年 齢 | 推奨量(mg) | 耐容上限量(mg) | |
男 | 女 | 男女 | |
0~5ヶ月 | 0.2* | 0.2* | – |
6~11ヶ月 | 0.3* | 0.3* | – |
1~2歳 | 0.5 | 0.5 | 10 |
3~5歳 | 0.6 | 0.6 | 15 |
6~7歳 | 0.8 | 0.7 | 20 |
8~9歳 | 0.9 | 0.9 | 25 |
10~11歳 | 1.0 | 1.0 | 30 |
12~14歳 | 1.3 | 1.3 | 40 |
15~17歳 | 1.4 | 1.3 | 50/45 |
18~29歳 | 1.4 | 1.1 | 55/45 |
30~49歳 | 1.4 | 1.1 | 60/45 |
50~69歳 | 1.4 | 1.1 | 55/45 |
70歳以上 | 1.4 | 1.1 | 50/40 |
*は目安量です。妊婦は+0.8、授乳婦は+0.3を付加してください。
「日本人の食事摂取基準」より抜粋
一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養素
タンパク質
ビタミンB6はタンパク質の分解する時の補酵素として働きます。タンパク質と一緒に摂ることで、代謝を促して、新しく細胞をつくり替えたり、血液のもととなる赤血球の合成を助けます。またカラダの発育も促します。病原菌に対する抗体も増やし、免疫力UPにもつながります。
豊富な食品:肉類、魚介類、大豆製品、卵、乳製品
ビタミンB2
ビタミンB6は脂質の代謝を助ける役目もあります。同じく脂質を代謝する役目のあるビタミンB2と一緒に摂ることで、作用がパワーアップするでしょう。体内に余分な脂肪が溜まるのを防ぎます。肝臓に脂肪がつくと、肝機能が低下して脂肪肝となります。その予防や改善もビタミンB2とB6の組み合わせが功を奏すでしょう。
豊富な食品:レバー、鰈(カレイ)、鰯(いわし)、納豆
ビタミンC
ビタミンCはタンパク質と共に、コラーゲンを生成する作用があります。そのためタンパク質の代謝を促すビタミンB6と一緒にビタミンCを摂っておくと、肌細胞の新陳代謝が活性化して美肌効果が高まるでしょう。共に、免疫力を高める作用もあるので、あらゆる病気の予防にもいいでしょう。
豊富な食品:緑黄色野菜、いも類、果物
ビタミンB6を含む食品を食べる時の注意点
妊娠中は毎食摂りましょう!
妊娠初期に起こりやすい「つわり」の症状は、ビタミンB6を摂取していると和らぎます。ビタミンB6はお腹の赤ちゃんの脳神経の発達を助けるので、妊娠中に不足しがちな葉酸や鉄と共にしっかり摂取しておきましょう。
まとめ
- タンパク質を分解する時の補酵素となるので、3大栄養素についで主役級の栄養素です。
- 皮膚病や頭皮のフケを防ぎ、肌や髪の健康を守ります。
- 免疫機能をUPして、アレルギー症状も抑えてくれます。