タンパク質

20種類のアミノ酸から造られ筋肉や骨の基となります

ヒトのカラダは、10万種類以上ものタンパク質で構成されており、体内で常に合成と分解が繰り返されています。

タンパク質は筋肉や内臓、骨、皮膚、血液、髪などをはじめ、ホルモンや酵素、免疫物質などの材料となります。近年では、コラーゲンなど、特定の食品に含まれているタンパク質の効能も注目されはじめています。

タンパク質を造るのは、20種類のアミノ酸で、体内では合成できないアミノ酸もあります。体内で合成できないアミノ酸は「必須アミノ酸」といい、1つでも不足してしまうと、タンパク質の効能が低下してしまうのです。アミノ酸の構成は食品により異なっているので、様々な食品を食べ合わせて、不足分を補うことも大切です。

不足すると…!?

極端に不足すると、筋肉など、体内のタンパク質を分解して、不足分を補なおうとカラダが反応するため、筋肉量が減って、体力が落ちてきます。そのため、疲れやすく、免疫力が低下し、脳の働きの活性化も弱くなるので、病気にかかりやすく、記憶力や集中力も低下してきます。

摂りすぎると…!?

タンパク質は体内で蓄積されず、余剰分は尿となって排泄されてしまうので、摂りすぎると尿を造る腎臓に負担をかけてしまいます。慢性化してくると、腎機能が低下して、腎臓病の懸念が高くなります。また、タンパク質とともに、カルシウムの排泄量も増えるので、骨粗しょう症のリスクも高まるでしょう。

タンパク質を多く含む食品

肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれます。アミノ酸のバランスは植物性よりも動物性食品の方が優れています。

  • 乳製品(食品100g中)
    プロセスチーズ:22.7g、ヨーグルト:3.6g
  • 肉類(食品100g中)
    鶏むね肉:24.4g、豚ヒレ肉:22.8g、牛もも肉(赤身):20.7g
  • 魚介類(食品100g中)
    鮪(まぐろ)赤身:26.4g、鰹(かつお):25.8g、鯵(あじ):20.7g、秋刀魚(さんま):18.5g
  • その他(食品100g中)
    高野豆腐:49.4g、納豆:16.5g、卵:12.3g

1日の摂取基準

年 齢 推奨量(g)
0~5ヶ月 10* 10*
6~11ヶ月 15~25* 15~25*
1~2歳 20 20
3~5歳 25 25
6~7歳 30 30
8~9歳 40 40
10~11歳 45 45
12~14歳 60 55
15~17歳 60 55
18~29歳 60 50
30~49歳 60 50
50~69歳 60 50
70歳以上 60 50

*は目安量です。妊婦は妊娠中期に+5、妊娠後期に+25、授乳婦は+20を付加してください。
「日本人の食事摂取基準」より抜粋

一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養素

ビタミンB2

ビタミンB2はタンパク質をエネルギーに変換する必要不可欠なビタミンです。皮膚や粘膜、髪などはタンパク質でできているので、代謝を高めることで口内炎、肌荒れ、抜け毛、白髪などの予防につながるでしょう。タンパク質とビタミンB2の双方を含む食品もあるので、進んで摂取しておきましょう。

豊富な食品:(タンパク質とビタミンB2どちらも含む食品)
チーズ、レバー、鰻(うなぎ)、鯖(さば)、納豆など

ビタミンB6

ビタミンB6は、タンパク質や脂質の代謝に不可欠なビタミンです。タンパク質を構成するアミノ酸の代謝を促すので、合わせて摂ると、カラダの発育に効果が期待できるでしょう。ビタミンB2と同様、皮膚や髪を健やかに保ち、皮膚炎などの予防や、美肌作用も期待できるでしょう。

豊富な食品:鯖(さば)、さつまいも、バナナ、にんにくなど

タンパク質食品を食べる時の注意点

動物性と植物性のタンパク質を5:5で摂るようにしましょう

アミノ酸バランスは、大豆や野菜などの植物性タンパク質よりも、肉類や魚介類の動物性タンパク質の方が優れています。しかし、動物性は脂肪分が多く、摂りすぎると肥満の懸念があるので、5:5の割合で摂るようにしましょう。

肉類や魚介類は焦げ目を控えめに調理しましょう

動物性タンパク質の焦げ目にはヘテロサイクリックアミドという発ガン性物質が含まれます。ごく少量ではありますが、毎日食べていると蓄積される懸念もあるので、肉料理、魚料理は焦げ目をつけすぎないようにしましょう。

まとめ

  • 筋肉や内臓、骨、髪、血液などカラダを構成する主成分です。
  • 常に合成と分解を繰り返しており、新しく生まれ変わっています。
  • アミノ酸から構成されていますが、食品によってアミノ酸バランスが異なります。