脂肪酸の種類と働き
様々な脂肪酸をバランスよく摂りましょう
脂肪酸は、脂質を構成する主成分です。主に炭素(C)、水素(H)、酸素(O)からできており、結合の仕方で種類がわかれます。主に次の4点です。
- 飽和脂肪酸
炭素の二重結合がありません。 - オレイン酸(n-9系、不飽和脂肪酸)
9番目の炭素が二重結合しています。 - リノール酸(n-6系、不飽和脂肪酸)
6番目の炭素が二重結合しています。 - α-リノレン酸(n-3系、不飽和脂肪酸)
3番目の炭素が二重結合しています。
また、食品ごとに、含まれている脂肪酸や比率が異なります。厚生労働省によると、
- 飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3
- n-6系:n-3系=4:1
の割合で摂ると、生活習慣病の予防に効果がある、とされています。
マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らしてしまいます。この状態は動脈硬化の原因となるので、マーガリンやショートニングは摂りすぎないように注意しましょう。
1.飽和脂肪酸
構造上、炭素の二重結合がない脂肪酸です。血液中の中性脂肪やコレステロールを増やして、血液をドロドロにし、血流を悪くしてしまいます。摂りすぎないように注意しましょう!
豊富な食品:動物性脂肪の多い食品(肉類、バター、牛脂、ラード)
2.不飽和脂肪酸
構造上、炭素の二重結合がある脂肪酸です。血液中の余分な中性脂肪やコレステロールを減らし、血栓を防ぐ作用があります。
豊富な食品:食部性脂肪の多い食品(魚介類、大豆、植物油、ナッツ類)
2-1.一価不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸のうち、炭素と炭素の二重結合が1ヶ所だけある脂肪酸です。酸化しにくいため、比較的長期間の保存が可能です。また、体内で合成できる脂肪酸です。
2-1-1.n-9系
意識して摂りたい脂肪酸です。
- オレイン酸
血液中のコレステロールを減らし、動脈硬化を予防します。酸化しにくいので、調理油としてオススメです。
豊富な食品:オリーブオイル、ひまわり油、菜種油
2-2.多価不飽和脂肪酸
2-2-1.n-6系
摂りすぎに注意が必要な脂肪酸です。
- リノール酸
血中コレステロール値や血圧を下げる作用がありますが、摂りすぎると余分なコレステロールを回収する善玉HDLまで減らしてしまいます。
豊富な食品:サフラワー油、大豆油、ごま油 - γ-リノレン酸
血中コレステロール値や血圧、血糖値を下げ、血栓を防ぐ作用もあります。様々な生活習慣病予防に効果が期待できます。
豊富な食品:天然の食品にはほとんど含まれていません。 - アラキドン酸
血中コレステロール値や血圧を下げる作用があります。摂りすぎると、アレルギーや動脈硬化の懸念が高まります。
豊富な食品:レバー、卵白、アワビ
2-2-2.n-3系
意識して摂りたい脂肪酸です。
- α-リノレン酸
ガンや高血圧の予防に効果が期待されており、アトピーなどのアレルギー疾患も防ぎます。DHAやEPAを合成します。
豊富な食品:しそ、しそ油、亜麻仁油(あまにゆ)、えごま油 - DHA(ドコサヘキサエン酸)
- EPA(エイコサペンタエン酸)
両者とも青背魚に豊富です。余分なコレステロールや中性脂肪を減らします。脳の働きを高め、記憶力や集中力UPにも効果が期待できます。
豊富な食品:鮪(まぐろ)、鯖(さば)、秋刀魚(さんま)、鰯(いわし)など