ビタミンK

骨や歯を強くして、止血作用も!

ビタミンKは、蕪の葉や、小松菜など緑黄色野菜に多く含まれているビタミンK1と、納豆など微生物によって産生されるビタミンK2があります。

ビタミンK2は、腸内細菌によっても合成されますが、新生児は合成できないので、ビタミンK2シロップを投与します。

ビタミンKは、血液を凝固する成分を合成するので、出血を止める役目もあります。女性で月経による出血が多い人は(月経過多)、ビタミンKを摂取しておくと、症状が和らぐでしょう。

また、骨からカルシウムが血液流に放出されるのを防ぎ、カルシウムが骨に沈着する働きもあります。ビタミンDと共に、骨や歯を丈夫にするためにも必要不可欠なビタミンです。

不足すると…!?

血液を凝固させる作用が弱まるので、鼻血や歯茎からの出血の原因になる場合があります。また、ちょっとした切り傷からの出血も止まりにくくなります。他に、内出血ができやすい、骨がもろくなり骨折しやすいなどの懸念が高まります。

摂りすぎると…!?

日頃の食生活で過剰症になる心配はほとんどありません。サプリメントなどで摂りすぎると、稀に、貧血や血圧低下などの副作用が現れます。血栓症など、血行促進作用のある薬を服用している人は、納豆などの摂取を控えるようにしましょう。

ビタミンKを多く含む食品

蕪の葉、モロヘイヤ、あしたば、小松菜、ほうれん草など葉物野菜に多く含まれるのが特徴です。納豆や海藻類にも豊富です。

  • 野菜(食品100g中)
    モロヘイヤ:640㎍、あしたば:500㎍、春菊:460㎍、蕪の葉:370㎍、にら:330㎍、小松菜:320㎍、ほうれん草:320㎍、ブロッコリー:160㎍、チンゲン菜:120㎍
  • その他(食品100g中)
    納豆:600㎍、干しひじき:320㎍、生わかめ:140㎍

1日の摂取基準

年 齢 目安量(㎍)
0~5ヶ月 4 4
6~11ヶ月 7 7
1~2歳 25 25
3~5歳 30 30
6~7歳 40 40
8~9歳 45 45
10~11歳 55 55
12~14歳 70 65
15~17歳 80 60
18~29歳 75 60
30~49歳 75 65
50~69歳 75 65
70歳以上 75 65

「日本人の食事摂取基準」より抜粋

一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養成分

脂質

ビタミンKは脂溶性のビタミンなので、脂質と合わせると吸収が高まるでしょう。出血を止める作用があるので、歯ぐきからの出血予防や改善に期待できます。また胃潰瘍など、胃の止血作用も期待できます。キャベツに多く含まれるビタミンU(キャベジン)と合わせると胃腸の回復を早めるでしょう。

豊富な食品:肉類、魚介類、バター、植物油

ビタミンD

ビタミンDは、血液中のカルシウムが減っていくと、骨からカルシウムを配給する役目があります。一方のビタミンKは、骨からカルシウムが溶けだすのを抑える働きがあります。ビタミンDとビタミンKがお互いに影響しあうと、骨量のバランスがとれることになり、一緒に摂ることで、骨粗しょう症の予防になります。

豊富な食品:鮭、しらす干し、干ししいたけ、きのこ類、きくらげ

ビタミンKを含む食品を食べる時の注意点

血行促進作用のある薬を服用している人は摂りすぎにご注意!

ワルファリンなど、血行促進作用のある薬は、体内で、ビタミンKの合成を抑えて、血液の凝固を防ぐ効果があります。ビタミンKを摂りすぎると、薬の効能が弱まり、病気の改善も難しくなります。サプリメントなどの過剰摂取や、食品でもビタミンKの含有量が高い、納豆やモロヘイヤなどは特に避けるようにしましょう。

加熱には強いが、アルコールには弱い!?

ビタミンKは熱に強いので、加熱調理に向いています。野菜は加熱調理すると、かさが減って、多く摂取できるので、理想的ですね。炒め物や鍋物に入れて摂取しましょう。しかし、お酒と一緒に摂ると壊れやすいビタミンなので、お酒のおつまみとしては向いていません。

まとめ

  • 緑黄色野菜に含まれるのはK1、納豆や腸内など菌によって産生されるのはK2。
  • 血液を凝固する成分を産生し、出血を止める作用があります。
  • カルシウムが血中に放出されるのを防ぎ、骨に沈着させる作用があります。