ビタミンA

疲れ目や視力の回復に役立つ「目のビタミン」

ビタミンAは、動物性食品に含まれているレチノールと、植物性食品に含まれ、体内でビタミンAに変換されるα-カロテン、β-カロテンなどのカロテン類があります。体内での利用率が高いのは、レチノールの方です。

ビタミンAは別名、「目のビタミン」とも呼ばれています。それは、ビタミンAが目の網膜にあるロドプシンという物質の主成分になるからです。ロドプシンを活性化させることによって眼精疲労や、視力回復も期待できるのです。

他に皮膚や目、口、内臓などの粘膜を健康に保つ作用があり、美養(美容)にも影響するビタミンです。また、抗酸化作用も協力で、アンチエイジング作用や、ガン予防にも効果が期待できるでしょう。

不足すると…!?

目や肌の粘膜を健康に保つ働きが弱まるので、ドライアイや乾燥肌、肌荒れが起きやすくなります。抜け毛、白髪、爪がもろくなる、などの症状もビタミンA不足が災いします。また、ちょっとした光が眩しいと感じすぎたり、暗い中で目が見えにくくなる夜盲症のリスクも高まります。

摂りすぎると…!?

サプリメントなどで過剰に摂取すると、副作用で頭痛や吐き気、疲労感を引き起こします。また、妊娠初期に大量に摂ると、お腹の赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼす危険があります。

ビタミンAを多く含む食品

肉類、魚介類などの動物性食品にはレチノール、緑黄色野菜にはβ-カロテンという状態で含まれています。

  • 肉類(食品100g中)
    鶏レバー:14000㎍、豚レバー:13000㎍、牛レバー:1100㎍
  • 魚介類(食品100g中)
    鰻(うなぎ)の蒲焼:1500㎍、烏賊(いか):1500㎍、しらす干し:240㎍
  • 野菜(食品100g中)
    モロヘイヤ:10000㎍、にんじん:7700㎍、あしたば:5300㎍、ほうれん草:4200㎍、大根の葉:3900㎍、小松菜:3100㎍

1日の摂取基準

年 齢 推奨量(㎍RE) 耐容上限量(㎍RE)
男女
0~5ヶ月 300* 300* 600
6~11ヶ月 400* 400* 600
1~2歳 400 350 600
3~5歳 450 450 700
6~7歳 450 400 900
8~9歳 500 500 1200
10~11歳 600 550 1500
12~14歳 750 700 2000
15~17歳 900 650 2500
18~29歳 850 650 2700
30~49歳 850 700 2700
50~69歳 850 700 2700
70歳以上 800 650 2700

*は目安量です。妊婦は妊娠後期に+80、授乳婦は+450を付加してください。
「日本人の食事摂取基準」より抜粋

一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養素

脂質

ビタミンAは脂溶性なので、脂質と合わせることで吸収率がUPします。目の網膜にあるロドプシンは、ビタミンAを材料とし、光の明暗や色を識別する作用があります。脂質と一緒に摂ることで、ビタミンAの作用が高まり、目の機能を正常に保てるでしょう。パソコン、TV、スマートフォンなどによる疲れ目、ドライアイなどを予防、改善するでしょう。

豊富な食品:肉類、魚介類、バター、植物油

ビタミンE

ビタミンEもビタミンAと同様に、強い抗酸化作用があり、活性酸素の害から細胞を守ります。一緒に摂ることで、ビタミンEがビタミンAの働きを活性化させて、相乗効果で抗酸化作用がパワーアップするでしょう。アンリエイジング作用が望め、美肌や髪、爪などを健康に保ちます。

豊富な食品:鰻(うなぎ)、モロヘイヤ、かぼちゃ、アーモンド

ビタミンC

ビタミンCは、活性酸素の影響で免疫力が低下するのを防ぎます。ビタミンAがビタミンCの酸化を防ぐので、意識して組み合わせるといいでしょう。ビタミンCは水溶性なので、2~3時間で排出されてしまいます。毎食摂るように心がけましょう。

豊富な食品:緑黄色野菜、いも類、果物

ビタミンAを含む食品を食べる時の注意点

肉類や魚介類、植物油など、油と一緒に調理しましょう

ビタミンAを含む食品は、油で炒めたり、揚げたり、脂肪分の多い肉類や魚介類と一緒に摂ると吸収が高まります。サラダの場合はノンオイルドレッシングよりも、オリーブオイルなど良質の植物油をかけていただきましょう。しかし、油は高カロリーなので、摂りすぎは逆効果です。

まとめ

  • 動物性食品はレチノール、野菜や果物はカロテン類として食品に存在している。
  • 目の網膜にあるロドプシンの主成分で、光や色を識別します。
  • 皮膚や体内の各器官の粘膜を正常に保ち、抗酸化力が強く、ガン予防にも期待できます。