パントテン酸

ストレスを和らげ、美養(美容)の強い味方!

パントテン酸は、「どこにでも存在する」という意味のギリシャ語から名づけられたビタミンで、名前の通り、様々な幅広い食品に含まれています。

3大栄養素の糖質、脂質、タンパク質の代謝に働き、補酵素であるコエンザイムAの成分にもなります。そしてエネルギー代謝のサポートもします。さらに、副腎の働きも強くし、副腎皮質ホルモンの分泌を高めて、ストレスを緩和する働きも期待できます。

また、皮膚や髪の健康に関わります。免疫力を高めて感染症を防ぐ作用も期待できるでしょう。血液中の余分なコレステロールを回収する、善玉HDLコレステロールを増やす役目もあります。

不足すると…!?

様々な食品に含まれ、そして腸内細菌でも合成されるので、不足する心配はほとんどありません。下痢などで腸の調子が悪い時に、まれに極端に不足することが出てきますが、その場合、免疫力が低下して、風邪をひきやすく、インフルエンザなどのウイルスに負けやすくなります。また、ストレスに対する抵抗力もなくなるため、疲れやすくなり、イライラや怒りっぽいなどの症状も出てきます。

摂りすぎると…!?

過剰症の心配はないので、多めに摂取しても心配はほぼありません。特に血液中の予防んなコレステロールを回収する善玉HDLを増やす作用があるので、コレステロール値や中性脂肪値が高い方は、積極的に摂る方がいいでしょう。しかし、レバーなどコレステロールも多く含む食材は摂りすぎには注意しましょう。

パントテン酸を多く含む食品

肉類や魚介類などの動物性食品、野菜やきのこなどの植物性食品まで、様々な食品に幅広く含まれています。

  • 肉類(食品100g中)
    豚レバー:7.19mg、鶏ささみ:1.68mg、鶏むね肉:1.13mg
  • 魚介類(食品100g中)
    鮭(さけ):1.67mg、海老(えび):1.11mg、たらこ:0.368mg(10g中)
  • 野菜類(食品100g中)
    モロヘイヤ:1.83mg、カリフラワー:1.30mg、さつまいも:1.30mg
  • その他(食品100g中)
    納豆:3.60mg、エリンギ:1.61mg、落花生:0.256mg(10g中)

1日の摂取基準

年 齢 目安量(mg)
0~5ヶ月 4 4
6~11ヶ月 5 5
1~2歳 3 3
3~5歳 4 4
6~7歳 5 5
8~9歳 6 5
10~11歳 7 6
12~14歳 7 6
15~17歳 7 5
18~29歳 5 5
30~49歳 5 5
50~69歳 6 5
70歳以上 6 5

*妊婦と授乳婦は+1を付加してください。
「日本人の食事摂取基準」より抜粋

一緒に摂ると効能が高まりそうな栄養素

ビタミンC

ビタミンCは、細胞の結合組織「コラーゲン」の生成を助け、さらにパントテン酸の櫃や髪を健康に保つ働きを強めます。一緒に摂ることで、美肌効果もUPするでしょう。また、両方ともカラダの免疫力を高める効果があるので、風邪などの感染症予防にも効果が期待できるでしょう。

豊富な食品:緑黄色野菜、いも類、果物

ビタミンE

パントテン酸は副腎に働きかけ、副腎皮質ホルモンの分泌を促して、ストレス緩和につながります。酵素の力で副腎の働きを助けてくれるビタミンEと一緒に摂ると、ストレスに強い体力作りになるでしょう。野菜や果物などに豊富に含まれるビタミンCも副腎の働きを強めます。これらを合わせると、ストレス撃退の効力が増すでしょう。

豊富な食品:鮎(あゆ)、かぼちゃ、アーモンド、オリーブオイル、アボカド、ごま油

パントテン酸を含む食品を食べる時の注意点

アルコールやカフェインとの摂取は控える

パントテン酸は、アルコールやコーヒーや紅茶に含まれているカフェインを体内で分解する時に、消耗されてしまいます。一緒に摂るのはなるべく避けましょう。特に夕食時にお酒を飲む人や、食後のコーヒーを日課としている人は、意識してパントテン酸の摂取量を増やすようにしましょう。

熱に弱いので、短時間調理を心がけましょう

パントテン酸は、熱によって分解されてしまうので、加熱調理は短時間でサッと済ませましょう。水溶性のビタミンなので、煮汁も利用できるメニューもおススメです。また缶詰や冷凍食品では、加工途中にパントテン酸が減ってしまうので、新鮮な食材から摂取するようにしましょう。

まとめ

  • 様々な食品に幅広く含まれ、不足することが少ない水溶性ビタミンです。
  • 糖質、脂質、タンパク質の代謝に関わり、エネルギーを生み出す役目があります。
  • 副腎皮質ホルモンの分泌を促し、ストレスに強いカラダにしてくれます。